暮らしを支えるNDCグラフィックス

NDCグラフィックスとは、「気持ちの良い生活デザイン」を目指すデザイン会社です。私たちはその会社へ取材に行きました。

会社の広々とした空間に入るとおしゃれなロゴマークや、見たことのあるデザインがたくさん置いてありました。尋ねるとそれは、前社長の中川憲造さんという人を中心としたNDCグラフィックスがデザインしたものでした。NDCグラフィックスは、公共のトイレのマークや横浜国際総合競技場のシンボルマークだけでなく横浜グッズなどの商品開発にも関わりました。そんな中川さんは、「犬のフンを捨てるな」という看板自体が街の景観を乱すと言い、犬のフンを禁止するピクトグラムをデザインしました。それはシンプルだけど分かりやすいものでした。これを見て情報を可視化して伝えやすくするピクトグラムは大事だと思いました。

そんなNDCグラフィックスは、昔は契約した会社だけと取引をする堅苦しい会社でした。ですが、1990年頃それを覆して自分達でクライアントを探す自由な会社として誕生したのです。

金江社長さんは「アートとデザインは違う」とおっしゃっていました。自分の創りたいもの、伝えたいことを表現するアートと違い、デザインは目的に沿って問題を解決するために創るものだという意味です。だからロゴマークや、プロダクトデザインを作るとき、クライアントの想像やそのアイデアを重視するため、自分たちがある程度の提案したデザインと完成したものが全く異なることもあります。その意識合わせが大変だとおっしゃっていました。さらに、デザインはたった1つのロゴマークを創るのにもたくさんの人が関わっていて、社長さんは「月に行く人は、たった2人だけど背景に何千何万の人がいるアポロ計画と似ている」。とおっしゃっていました。実際、あの誰もが見たことのある有名なトイレのピクトグラムは、ワールドカップが行われる前に外国人でもわかるマークを目指し認知率や理解度などを確かめる調査が繰り返され、試行錯誤の後完成したのです。

このように昔から日常生活を支え、歴史に残るデザインを手がけたNDCグラフィックス。今回の取材を通じて、デザインが好きになりました。

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