芸術をだれもが楽しめるくふう

コロナのなかで、「Zoom」や「Skype」などが大活躍しました。みなさんも一度は使った ことがあるのではないでしょうか。
今回は、そんな離れた場所から人とつながることのできる技術を取り入れた芸術の楽しみ方を取材しました。

今年も、3年に1度に横浜で開催される現代アートのイベント「ヨコハマトリエンナーレ2020」が 横浜美術館で行われました。私達は、OriHimeという分身ロボットを使い、離れた場所で館内をまわる体験をしました。

私が一番心に残った作品は、タウス・マハチェヴァさんの「目標の定量的無限性」という作品です。この作品は、まるい部屋に不自然な体操の器具が並んでいていろんな人の声が響いています。例えばどんな声かというと、「ちゃんとしなさい!」や「こんな事も出来ない の?」などという誰かを責するもの。声の主は、年齢・性別それぞれ違う。何を意味しているのかまでは分かりませんでしたが、きっと何か大事なメッセージが込められているのだと感じた作品でした。

OriHime の機能は、大体「Zoom」などと同じです。OriHime についているカメラからその場のようすを映像で離れた場所でタブレットから見ることができたり、スピーカーで相手と会話したりできます。ですが、違うところがあります。それは、OriHime は手や顔がついているということです。なので、両手を横にパタパタと動かして拍手をしている様子を表したり、片手を外側に動かすことで「なんでやねん!」と突っ込みをしたりすることもできます。 タブレットのボタンの「なんでやねん!」を押すと、そのようなしぐさをOriHime がするのです。つまり、感情表現ができるということです。また、使っていくうちに自然と愛着がわいてくるのも手や顔がついているならではなのではないかなと思いました。

体に障害のある方や、高齢の方、小さいお子さんのいらっしゃるご家庭の皆さんの視点から考えると、遠くからでも芸術を楽しめることはとても嬉しいと思います。画像がもうすこしきれいだったらとか、音のずれとかまだまだ気になることはありましたが、これから多様な人がいろいろな社会に 目を向けることのできるツールが増えていくなかで、それぞれのツールの良さを生かしながら上手に使えるようになれればいいなと思いました。

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