新型コロナウイルスがなかなか収まらない中、今回は、椎名林檎さんやケツメイシさんなどのアーティストの映像制作をしている「ウスイヒロシ」さんに、オンライン取材をさせて戴きました。多くの有名なアーティストさんと仕事をするような映像ディレクターであるウスイヒロシさんは想像以上に優しく、私たちと対等にお話してくださいました。
ウスイさんは音楽に関わる映像のディレクターの仕事をしている方です。例えば、ミュージックビデオやDVD、ライブ配信の映像制作などをされています。もともと、音楽が好きで大学2年生の頃から急にものを作り上げたいという制作意欲が湧いて、映像のサークルに入り、映画館でアルバイトもしていたそうです。アルバイト先では、人との出会いが運を呼び、映画の制作現場にまで行っていたと聞き、少し羨ましく感じました。その後の就職活動ではなかなかうまくいかなかったウスイさんは、大学卒業後も制作現場で色々なことを経験して、フリーランスで音楽関係の映像制作に携わるようになりました。
私は、映像ディレクターという職業をあまり知らなかったのですが、大変そうな仕事だなと思っていました。ウスイさんによると、やはり大変な時はたくさんあるそうです。撮影の規模によってやり方が全く異なるので大変だそうです。また、相手があって作っているものなので、作品に対して「こんなはずじゃなかったなぁ」ってなると作り直しになったり、発表できなくなることもあるので、すごく落ち込んで仕事をやめようかなとも考えたこともがあったということを教えてもらいました。
しかし、反対に仕事をしていて、とても嬉しいと思える瞬間もたくさんあることを知りました。アーティストさんがとても喜んでくれたり、自分の指示がうまく行って思い描いた通りの映像になったり、ライブステージのバックにある大きなスクリーンに、ステージ演出の映像を映す切り替えボタンを押した瞬間、会場にどよめくほどの歓声があがったときは鳥肌がたつほど興奮したと言っていました。
ウスイさんが映像制作でこだわっていることを聞いてみました。曲をもとにコミュニケーションを取ったり、自分でくみ取ってみたりして、それはウスイヒロシというフィルターを入れて探りながら映像を制作すること、だそうです。そういう制作のしかたをしない人もいます。でもウスイさんは、やりとりをしながら糸口を見つけていくやり方をしています。今の時代の流れも大事にすることもコツのようです。
最後にウスイさんは、今の映像の世界では、身近で好きでやっている人が多くみられるようになってきた、と話してくれました。「好きを極められる人は強いということ」「好きなものを信頼できる人たちとアウトプットするのが自分を豊かにしてくれるということ」も、伝えてくれました。今回の取材で私は、好きなものを仕事に繋げていきたいと改めて感じました。