現在の神奈川県立歴史博物館の建物は、明治三十七年創建当初は銀行でした。
ですが、関東大震災の影響で火災が発生し、内装のほとんどが消失してしまいました。その後、銀行としての役目を終えて、博物館として開館しました。来年1月から工事のため休館を予定しているそうです。
県立歴史博物館の外観で特徴的なのは、ドーム型の屋根です。特別に中に入らせてもらいました。中はとくに何があるわけではなく、飾りなのだそうです。そのドームの外側の色は、今は青緑色ですが、昔は赤茶色でした。外側の素材が銅だからです。建物は、地下一階から地上三階まであります。
取材したときには、特別展「かながわへのまなざし」を開催していました。
当時の地図は、今の日本の地図と比べると北海道の形などが全く違いました。
慶長五年、オランダと貿易が本格的に始まりました。その時にはポルトガルやスペインの人とも貿易していましたが、日本にキリスト教も伝えようとしたため、恐れた日本の幕府に止められ、失敗に終わりました。そのため貿易もしてはいけなくなってしまいました。
この特別展は、当時の絵や写真の細かいところまでを見てほしい、と言う想いを込めて展示されています。この展示の企画をするにあたって学芸員の方が構想を立て始めたのは、約五年前だと教えてくれました。展示を見てくれた人が、おもしろい、と言ってくれることがいちばんうれしいそうです。
僕はこの取材を通してこの建物自体が展示品ということがわかりました。
まず一つは関東大震災後のこの建物です。建物の中に火がつき内装などほとんどが消失してしまいました。あの博物館の特徴的な丸いドームも消失してしまったのです。もちろん周辺の建物も火災に見舞われ大変でした。それでも、外の壁はどうにか残っていたので、復興し、その後博物館に生まれ変わったときに新しく屋上のドームがつけられました。そうやってますます立派な建築としての作品ができたんだと思いました。