8月2日、僕たちは神奈川県立図書館の本館に取材に行きました。神奈川県には2つの県立図書館があり、今回取材に伺った県立図書館は、社会・人文系の資料を収集しています。令和4年9月に今の場所に新しい「本館」としてオープンしました。それまでは、昭和29年に建てられた前川國男館(旧本館)が県立図書館として役割を果たしていました。新しくできた本館には約96万冊の本が所蔵されており、戦争に関する本や、世界の神話についての本など社会・人文系の様々なジャンルの資料を借りることができます。
資料は図書の他にも逐次刊行物(雑誌や新聞など)や視聴覚資料(ビデオなど)、電子書籍まであります。中には、他の図書館では見ることのできないような貴重な資料も所蔵されています。その一つが、前野良沢、杉田玄白らが手がけた解体新書です。皆さんも一度は耳にしたことのあるであろうこの本。刊行されたのは1774年(安永3年)で249年前です。そんな大昔の本がとてもきれいな状態で保存されています。教科書でも紹介されている解体新書を間近で見ることができたのは、とても貴重な体験でした。
たくさんの資料を見学しましたが、県立図書館には、ほかにも大きな魅力があります。それは、充実した施設です。自ら、必要な資料を探すために入室できる「公開書庫」や、本と真剣に向き合うため、電子機器の持ち込みが一切制限されている「静寂読書室」。リラックスした状態で本を読むことができる「ザ・リーディングラウンジ」や自分がどんな学習をしていけばよいのかを相談することができる「生涯学習相談デスク」など、読書や学びの質を高めてくれるような施設がたくさんあります。他にも「研究個室」「ディスカッションルーム」「研究ブース」などいろいろなところがありました。
多くの資料とそれを利用するために作られたスペース。この神奈川県立図書館がもっと多くの人々のよりどころになってほしいと思いました。